何故これがまかり通るのか…:カプコン・コエテク訴訟問題で思うこと

ゲーム
スポンサーリンク

先日、気になってたカプコン・コエテク訴訟問題の判決がでたので、今日は雑記をば。

ゲーム知らない人はなんのことやらかと思うので、ざっと経緯を書いてみる。

コーエーテクモ(略してコエテク)の三国志を題材としたゲーム「真三國無双(2000年8/3第一作発売)」、戦国を題材としたゲーム「戦国無双(2004年2/11第一作発売)」などが、特許を侵害しているとして、2014年7月4日にカプコンが提訴。
2019年9月11日に、知的財産高等裁判所にて特許侵害が認められ、コエテクに1億4,384万3,710円の支払いを命じたとのこと。

なのだけど、何故この特許が無効にならなかったのか、ものすごく疑問

問題の特許は特許第3350773号(今作のディスクROMがゲーム装置に装填されるとき、前作のディスクROMを装填した場合に、特典を開放するもの:カプコンより引用)。

けれど、この手のシステムはフロッピーディスクを使用していた頃のPCゲームでは何ら珍しくなかった

古くはウィザードリィ3部作(1981年・1982年・1983年それぞれ発売)からある手法で、1で作成したキャラクターを2作目・3作目に引き継げたし、他にもMSXのグラディウス2などがある。

特許権を取るには新規性(客観的に新しい技術かどうか)・進歩性(専門知識があれば容易に作れたのではないか)という条件があり、当該特許はPSが発売された1994年頃に取得したもの。

しかし上記の通り、1980年代にはすでに同様の技術が出回っており、目新しい部分はない。

例えばこのシステムを取り入れていたのが、ものすごくマイナーなゲームというなら、見落としの可能性もあるが、ウィザードリィはウルティマと並んで世界的に見ても超有名なRPGの元祖。
ドラクエやFFの親的存在なわけですよ。

つまりこれって、PSどころかファミコン以前からあるシステム
だから新規性があるとはとても思えないのだ。

加えてコエテクは、光栄(昔の会社名)時代から、三国志などで、パワーアップキットを発売しており(単体では遊べないが、本編と関連付けて色々な機能が追加できた)、このやり方は当時は光栄商法と言われていたレベル。

こういった経緯があれば、MIXJOY(問題の特許に引っかかったシステム)を取り入れたのは、ごく自然な流れと言える。

スポンサーリンク

しかも戦国BASARAでは無双を丸パクりしている……

カプコン・コエテク訴訟問題が報じられたとき、ゲーム好きの感想の多くは

「カプコンがコエテクを訴えたの??逆じゃなくて??」

というもの。

何故かというと同じく戦国を題材としてカプコンが出しているゲーム「戦国BASARA(2005年7月21日第一作発売)」は、キャラ設定から、ゲームシステム、操作方法、キャラクターのテーマカラーまで、ほぼ無双シリーズの丸パクり!!
それこそ中国の「ユニプロ」とか「無印良品(偽)」と同レベル。
(これについては無双×BASARA徹底比較(外部サイト)というサイトで詳しく検証しているので興味のある方は見てみてね♪)

実はコエテクは歴史物に異常に強いメーカーで、真三國無双は同メーカーが作る歴史ゲームとしてはむしろ新しい部類。

他に三国志(1985年第一作発売)・信長の野望(1983年第一作発売)、提督の決断(1989年第一作発売)、蒼き狼と白き牝鹿(1987年第一作発売)、決戦(2000年第一作発売)、戦国無双(第一作2004年2/11発売)などがシリーズ化しており、ゲーム内ではコエテクの独自設定(戦国の顔が真田幸村だったり、何故か武田信玄を御館様と慕ってたり)も多い。

歴史上では幸村(1570年生まれ)と信玄(1573年没)では活躍した時代にズレがあるので、幸村が信玄に使えるという設定は完全にコエテクの創作。

けれどカプコンの戦国BASARAはこういう設定まで流用しているため、歴史好きのゲームファンからはかなり批判されていた。
(光栄時代は歴史パラダイスという雑誌まで発行していたので、ユーザーも当然歴史好きが多い)

はっきりいって、この時点で、どう考えてもカプコンの方が悪質としか思えない。

だってね、コエテクは大昔から本編→猛将伝→エンパイアーズ→完全版(本編&猛将伝が一本にまとめられたもの)という売り方で回しているわけですよ。

こなれたファンは、本編・猛将伝は見送って、完全版がでてから買うというケースも多く、当該特許のシステムために本編→猛将伝と買うのは、一日でも早く遊びたい層と、シリーズを全く知らない人くらいじゃないかな。

一方カプコンのパクリは、プロデューサーが過去にインタビューで、無双を真似した発言をしつつ、一方でSNSでは無双を貶めることもしていて、あわよくば無双ユーザーも全部かっさらおうという意図が見え見え。

どちらの方が被害が大きいかと言えば、まあ、後者だよね。
事実、中には無双がBASARAをパクってると勘違いして批判するファンもいるくらいだし。

でもキャラやシステムをそっくり流用してる割に、スタッフに歴史の知識がないのか、ストーリーは全然話ならない模様。
(私はBASARAはやってないから詳しくは知らないが、プレイをした身内に言わせると荒唐無稽だそうな)

まあ、少なくとも歴史ゲームを楽しみたい層は、だまされようもないですわ。
(コエテクの歴史ゲームはいずれも歴史上の小ネタが正史・演義問わず豊富に盛り込んである)

確かに真三國無双に登場するチョウコウは、ストリートファイターシリーズのバルログをモデルにしたと思われる、かぎ爪を武器にした耽美系キャラ。
けれど、本格アクションのストリートファイターシリーズと、簡単アクションで爽快感が売りの無双では操作もゲームシステムも客層も全く違う。

ゲームジャンルも題材も、操作法からシステム、果てはキャラ設定までオール丸パクりの戦国BASARAとは比較にならない。

これが仮にもストリートファイターやバイオハザードなど、ビッグタイトルいくつも抱えてる大手の老舗メーカーのやることなのかな……。
あまりにもプライドがなさすぎないか??

ストリートファイター2は昔、仲間内ですごく盛り上がって、ずいぶん遊んだ記憶がある。

けれど、この訴訟問題を知って、もう二度とカプコンのゲームはやる気になれない。
金になるなら手段は選ばないスタイルなんだな、と思ったから。
そんな会社がユーザー目線に立てるはずがない。

スポンサーリンク

特許権って何のためにあるんですかね?

本来は特許の条件から外れていれば、特許は無効になるはずだし、実際、地方裁判所の判決ではカプコンの請求は棄却されている。

まあ、当たり前だよね。
光栄商法は悪名高く有名だったけど、カプコン商法なんてきいたことなかったし。

にも関わらず、今回の判決、そしてこの特許がまかり通っているのはなんなんですかね。

特許って本来は、発明や技術の進歩を促すためのものでしょう?
フロッピー時代から、ゲーム界隈ではごくありふれた技術を、ずっと後にできたPSでやったら「新規性・進歩性がある」になるのが全く意味不明。

プログラムって言語よ??
これってつまり、外国の作家が書いた本を、翻訳家が母国語に直して「自分の作品だ!」って言い張り、著作権を奪ってるのと同じようなものじゃん。

この判決を下した裁判官がどの程度ゲームの世界を知っているのか、そこが知りたいよ。
本当に特許権て、何のためにあるんですかねぇ……?

この件は本当に納得いかなくて、モヤモヤしてたので、思ったことをそのまま書いてみました。

経緯を知らないBASARAファンの方は不愉快に思ったかもしれないけど、私は歴史物もゲームも好きだからこそ、プライドもって作って欲しい気持ちが強いのです。

こんなことさえなかったら、いつかBASARAも遊んだかもしれないのに。
本当に残念。

タイトルとURLをコピーしました